「IoTで人・モノの安全管理」 2021.09.09 通信
2021年7月28〜30日、ソニーネットワークコミュニケーションズは『ELTRES Days』をオンラインで開催。Day3ライブセミナーのテーマは「IoTで人・モノの安全管理」。幅広い領域でELTRESの通信技術を活用した各社IoTソリューションが紹介されました。当日の模様をダイジェストでご紹介します。
目次
Braveridge「PILEz(パイルズ)」
無線通信技術を中心にIoT向け製品の開発・製造を行う株式会社Braveridge(https://www.braveridge.com/)は、ELTRES端末パートナーのハードウェアベンチャーです。同社は「PILEz(パイルズ)」というハードウェアユニットシステムを編み出しました。
PILEzでは、通信部・センサー部を分離しそれぞれユニット化。これと同様の分離型構造は同社開発の「ガス導管内 露点・圧力遠隔管理システム」「ため池管理システム」の室外ルーターにも活用されています。センサーユニットから通信ユニットを分離できる構造とすることで、IoTサービス構築におけるデバイス開発を効率化。圧倒的短期間でのIoTデバイス開発が可能になるといいます。現在開発中の水田センサーにもPILEzが採用され、総開発期間は6カ月に短縮されました。
電池(CR123)2個が内蔵された通信ユニットにはELTRESも選択可能です。同社はELTRESを採用する理由について、海上・森の中・山を問わず圧倒的な無線パフォーマンスを実感できると解説。
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日立アイイーシステム「SELSENS」
株式会社日立アイイーシステム(https://www.hitachi-ie.jp/)は「社会・産業」「電力」「情報システム」の3分野で事業を展開する愛知県の電機メーカーです。同社が開発した「SELSENS」(Selectable Sensing System)は、「離れたものや現場で起こっていることをデジタル化」する手段として開発された設備監視ソリューションです。
SELSENS はIoTセンシング端末「SELSENS Box」とクラウド型データ閲覧・蓄積・管理サービス「SELSENS Cloud」で構成されます。ユーザーの用途・監視対象設備に応じて、複数の入力インターフェースから必要な情報のみ選択し伝送できる「データセレクト送信機能」が大きな特徴で、LPWA通信には長距離安定通信・高速移動通信・低消費電力を特長とするELTRES通信モジュールが内蔵されています。通信は920MHz+GNSS一体型の外部アンテナ(オプション)により、設置環境に応じたレイアウトが可能です。
屋外インフラ設備状態監視パッケージ、車両設備稼働監視パッケージ、工場設備稼働監視パッケージなどに応用した導入実績があり、今後もさらなる展開が期待されています。
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クレスコ「CLIP」
ネットワーク・サーバ・ソフトウェア・セキュリティの総合力で、システム提案から設計・構築、運用・管理までのトータルソリューションを提供する株式会社クレスコ(https://wakuwaku.cresco.co.jp/)。同社は新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、新型コロナ感染症予防支援システム「CLIP」(Creative LPWA IoT Platform)を開発しました。
CLIPでは内蔵されたCO2センサーで、人間が空間中に排出したCO2濃度を計測。その測定値をもとに居室内にいる人間の人数変動把握をリアルタイムに行い、密集度合いを分析します。3密(密閉・密集・密接)状態をいち早く検知できるようになります。
さらにCLIPのウェブアプリケーションでは「ソーシャルディスタンスの確保」「室外への退出」「室内の換気」「エアコンの使用」等を表すピクトアニメーションで、ナッジ効果を狙った「ゆるやかな誘導」を行います。
同ソリューションの通信規格にはELTRESの通信モジュールが採用されており、同社ではELTRESモジュールをベースにLPWAとGNSSのアンテナコネクタを実装したELTRESブレイクアウトボードも開発しました。
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QUADRA PLANNING「SEAKER L3」
沖縄県を拠点とするQUADRA PLANNING株式会社(https://safedive.jp/)は、スクーバダイビング業界からスタートしたベンチャー企業です。同社は位置情報システム「SEAKER」シリーズを開発しています。なかでも海洋・極限環境用/耐圧防水(スクーバダイビング対応)の「SEAKER_L3」では、通信規格にELTRESが採用されました。
海洋・アウトドア位置情報システムには「ロングレンジである」「長時間動作である」「合法に誰でも使える」「水面での通信能力がある」「自立して浮揚し機能する」といった能力が求められました。
現行品から上記の条件を満たす通信規格を見つけ出すことは困難でしたが、安定通信・長距離伝送・低消費電力かつ長時間動作・高速移動・位置情報といった機能を持つELTRESはこれら5条件すべてを満たしていました。PoCでの実証実験を行った結果、ELTRESの性能の高さと海での強さが証明されたそうです。
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中部電力パワーグリッド「らくモニ現場管理サービス」
中部電力パワーグリッド株式会社(https://powergrid.chuden.co.jp/)は、愛知・静岡(富士川以西)・三重・岐阜・長野を供給エリアとする一般送配電事業者です。
同社は2017年から行ったELTRESの性能評価(電波伝搬・移動性)で「見通し103km」「高速移動での安定通信」を確認。同社管理の鉄塔とELTRESを組み合わせれば「新たなビジネスチャンスが拡がる」という確信を得たといいます。その後同社はELTRESを活用したインフラ監視ソリューションを開発。そこから生まれたのが「らくモニ現場管理サービス(らくモニIoT)」です。
作業員の位置情報把握、指定場所到着時のエリア通知、作業のステータス管理、現場で撮影する写真の管理等々、現場管理ではさまざまな課題が生まれています。らくモニ現場管理サービスではELTRES対応のGPSトラッカーを用い、それらの現場状況を一元管理。2021年10月からはIoTデバイス・クラウドの導入支援から運用管理までをワンストップで提供する各種センシングサービスもスタート予定です。
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イーヒルズ「DASS」
森ビルグループのイーヒルズ株式会社(https://www.ehills.co.jp/rp/dfw/EHILLS/service/)が開発する災害活動支援システム「DASS」(Disaster Activity Support System)は、災害時にライフラインとなる携帯電話等の通信網が崩壊しても従業員行動を見守り(トラッキング)することのできる情報ソリューションです。
平時においては施設管理(施設点検・メーター検針等)におけるタスク管理システムとしても利用できます。同グループで行われる森ビル総合震災訓練でも、同ソリューションが使われています。
ソリューションを構成するのは、eHills IoT Platform(位置情報集積クラウド)、DASS クラウド(位置情報表示タスク簡易クラウド)、スマートフォンのSPアプリ、そしてDASS端末です。位置情報はeHills IoT Platform に集積され、管理者はDASS クラウドから位置情報を確認します。DASS端末は自社開発。通信機構にはELTRESモジュールが採用されました。
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IoT mobile「nokori」
2017年設立のIoT mobile株式会社(https://iotmobile.jp/)は、大手半導体メーカー出身の技術者17名が在籍。ハードウェアからソフトウェアまで一気通貫でのソリューション開発を行っています。農業・工業・運送・介護など年間200社を超える豊富なIoT案件の実績があり、各種IoTデバイスも自社開発しています。
同社はIoT mobile社外品のセンサーをつなぐことでさまざまなデータ可視化を行うELTRES対応デバイス「TAMANA」を活用し、月々500円で始めるタンク内の残量監視「nokori」を提供しています。
nokoriでは、圧力センサーで重油タンク内の残量を高精度に一括把握。規格値を定めておくことで残量が少なくなった際に管理者に通知を行います。人件費削減・経費削減・作業効率化の面で導入メリットがあります。通信費とシステム利用料も「月500円」と格安。ELTRES通信規格の採用で、圧倒的な通信費の安さを実現しました。
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PUREWORKS「Pデータマップ」
PUREグループは、IT事業のPUREWORKS(東京)とPUREWORKS沖縄(https://www.pureworks.co.jp/)、物流事業のPURELOGI(神奈川)(https://www.purelogi.co.jp/)の3社で事業連携をしています。コンサルティング、ウェブ制作、映像撮影・制作、3DCG制作、アプリ・システム開発、BPO業務、EC配送業務、大型機器保管業務等、広範な事業を手掛けてきましたが、2020年にはさらに「地理空間情報ソリューション」への取り組みを開始。そこから生まれたのが、地図と連動したデータ可視化クラウドサービス「Pデータマップ」です。
PデータマップはELTRESで取得したデータと各種属性データをPマップに投入することで、地図・衛星写真と連動して可視化できたりBI機能による分析ができたりするクラウドサービス。リアルタイムデータにも対応しており、位置情報を付加することで地図上にある動体のトラッキングも可能となります。中古車販売における所在地管理などにも導入を予定しています。
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富士山測候所を活用する会「次世代型富士山火山噴火監視」
認定NPO法人富士山測候所を活用する会(https://npofuji3776.org/index.html)は「富士山測候所を自分たちで管理・運営し、開かれた研究・教育の拠点として再生させること」を目指しています。本ライブセミナーのスピーカーで同法人の専務理事・事務局長の鴨川仁氏(静岡県⽴⼤学准教授)は富士山火山活動監視を研究しています。
2014年9月に起きた「御嶽山噴火災害」では58名が死亡、5名が行方不明となりました。来るべき富士山火山噴火が「御嶽山の再来」にしないためにも、鴨川氏は「火山活動の監視」の重要性を強調します。しかし気象環境が厳しい富士山測候所は「人が活動できるのは夏季の2か月間のみ」「それ以外の期間は商用電源が使用できず」「携帯電話回線もつながりにくい」という条件下。通年でのリアルタイム分析が難しい状況でした。
そこで長距離伝送・低消費電力の特長を持つELTRESが導入されることになり、2018年度に同法人はELTRESを用いた各種実証実験を実施しました。
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最後に
ELTRESは安定通信・長距離伝送・低消費電力・高速移動体対応・GNSS標準搭載の特長を生かして様々な業界でご活用いただいております。
【活用例】
- 物流:移動車輛の監視
- 環境モニタリング:溜池の水位監視
- インフラ監視:街路灯の電力監視と設置位置管理
- 農業・畜産:放牧牛のトラッキング
- 人の安全みまもり:CO2センサで「3密」を検知
- スポーツトラッキング:アドベンチャーレースでのトラッキング
- IoTプラットフォーム:温湿度、不快指数、安全管理、物流管理、獣害被害対策、見守り等
「興味がある」から「実際に活用方法を検討している」までどの段階でも構いません、お客様のご希望に合わせてお話しさせていただきます。
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